米国株の始め方 — 口座開設から注文・確定申告まで7ステップで解説(はじめての米国株)
7ステップの全体像
- 日本株との違いを知る — 1株から・取引は日本の夜・値幅制限なし
- 証券口座を選んで開く — 証券会社と口座の種類(特定・一般・NISA)
- 入金して両替する — 円のまま買うか、ドルに替えて買うか
- 何を買うか決める — ETF か個別株か。個別株なら業績を見る
- 注文する — 取引時間と、成行・指値の違い
- 持っている間に見ること — 決算・金利・為替
- 税金と確定申告 — 口座の種類で手間が変わる
口座を開くまでに数日かかることが多いので、ステップ2だけは早めに始めておくと、あとが楽です。
ステップ1:日本株との違いを知る
米国株は、日本株と売買のルールがかなり違います。大きいのは次の4つです。
- 1株から買える:日本株は100株単位。米国株は1株から(株価150ドルなら1株で約2万円強)
- 取引は日本の夜:日本時間で夏は22:30〜翌5:00、冬は23:30〜翌6:00
- 1日の値幅制限がない:決算などで1日に数十%動くこともある
- 為替が損益に入る:評価額は「株価 × ドル円」
ステップ2:証券口座を選んで開く
米国株を扱う証券会社で口座を開きます。本人確認書類とマイナンバーが必要で、開設まで数日かかるのが一般的です。比べるポイントは、売買手数料・為替のコスト・扱っている銘柄の数・NISA への対応・時間外取引の対応の5つ。手数料が無料でも、円とドルの両替のコストは別にかかることが多いので、合計で比べます。
口座の種類も選びます。確定申告の手間を減らしたいなら「特定口座(源泉徴収あり)」、日本の税金をゼロにしたいなら「NISA(成長投資枠)」が候補です(NISA でも配当にかかる米国の税金10%は残ります)。外国株の取引を始めるときに、米国の税金を30%から10%に下げる書類(W-8BEN)の提出を求められるのが一般的です。
- ☐ 証券会社を5つのポイントで比べた
- ☐ 口座の種類(特定・一般・NISA)を決めた
- ☐ 外国株の取引口座と W-8BEN の手続きを済ませた
詳しく: 米国株の証券会社 比較/特定口座・一般口座・NISA口座の違い/NISA(成長投資枠)で米国株/W-8BEN とは
ステップ3:入金して両替する
口座に円を入金したら、円のまま買う(円貨決済)か、ドルに替えてから買う(外貨決済)かを選びます。円貨決済は手軽、外貨決済は受け取った配当や売った代金をドルのまま次の買いに回せる、という違いがあります。どちらも両替のコストがかかります。
為替の影響は大きく、例えば100ドルの株を1ドル=150円で買い(1万5,000円)、株価が110ドルに上がっても、1ドル=135円まで円高になれば 110×135=1万4,850円。ドルでは+10%でも、円ではほぼ横ばいです。逆に円安なら、株価が動かなくても円での評価額は増えます。
- ☐ 円貨決済か外貨決済かを決めた
- ☐ 両替のコスト(1ドルあたり何銭か)を確認した
ステップ4:何を買うか決める — ETF か個別株か
最初の分かれ道は、市場をまとめて持つ ETF・投資信託か、会社を選ぶ個別株かです。ETF は1本で数百社に分散でき、個別株は会社ごとの業績の差がそのまま成績に出ます。
個別株を選ぶなら、株価という「期待」だけでなく、売上・利益という「実態」を見ます。kabu の銘柄ページでは、次のことを実データで確かめられます。
- 稼ぐ力(売上100円の使いみち)
- 売上と利益が伸びているか(5年の推移)
- 現金と借金のバランス
- 株価の伸びが業績より先に進んでいないか(株価と業績のズレ)
話題の銘柄は、将来の成長への期待がすでに株価に多く含まれていることがあります。PER・PSR が過去の範囲のどこにあるかも見ておくと、期待の大きさがつかめます。
- ☐ ETF・投信と個別株、どちらで始めるか決めた
- ☐ 個別株なら、売上と利益が伸びているかを確かめた
- ☐ 1社に集中しすぎていないか確かめた
詳しく: ETFと個別株の違い/投資信託とETFの違い/QQQとVOOの違い/株価と業績のズレ(乖離)の読み方/スクリーナー/銘柄比較
ステップ5:注文する
銘柄はティッカー(Apple なら AAPL)で探し、株数と注文方法を指定します。値段を決めずにすぐ買う成行と、値段を指定する指値が基本です。取引は日本の夜なので、日中に指値で注文を出しておく使い方が多く、夜の取引開始直後や決算の発表直後は値動きが大きくなりやすい点に注意します。
米国の祝日は取引所が休みで、半日だけの日もあります。
- ☐ ティッカーを確認した
- ☐ 成行か指値かを決めた
- ☐ 取引時間と休場日を確認した
ステップ6:持っている間に見ること — 決算・金利・為替
- 決算:米国の会社は3か月ごとに決算を出します。売上と利益が前年の同じ時期より伸びたか、会社の見通し(ガイダンス)が変わったか、を最初に見ます。日程は決算発表スケジュール(日本時間)で確認できます。
- 金利:金利が動くと、PER の高い会社や赤字の会社の株価は動きやすいとされます。米国の金利を決める FOMC の日程も押さえておきます。
- 為替:ドル円の動きで、円での評価額が変わります。
短い期間の値動きより、業績が予想どおり伸びているかを続けて確かめるのが基本です。
ステップ7:税金と確定申告
- 売った利益:日本で約20.315%(米国では原則かかりません)
- 配当:米国で10%差し引かれ、さらに日本で約20.315%。特定口座・一般口座なら、確定申告の外国税額控除で米国の分を一部取り戻せる場合があります
- NISA:日本の税金はかかりませんが、配当の米国10%は残り、外国税額控除も使えません。損失をほかの利益と相殺することもできません
「特定口座(源泉徴収あり)」なら、基本的に確定申告は不要です。ただし、外国税額控除を使いたいときや、損失を翌年以降に繰り越したいときは申告が必要です。
- ☐ 口座の種類ごとに税金のかかり方を確認した
- ☐ 確定申告が必要かどうかを確認した
- ☐ 配当の外国税額控除を使うか決めた
詳しく: 米国株の確定申告のやり方/外国税額控除/損益通算と繰越控除/特定口座年間取引報告書の見方/確定申告が必要か判定するツール/NISAと課税口座の比較ツール
よくある失敗
- 話題の銘柄を勢いで買う:期待が先に株価に乗っていることがあります。売上・利益の伸びと、株価の伸びの差を確かめてから。
- 1社に集中する:その会社だけの悪材料をまるごと受けます。複数の銘柄か ETF で分ける。
- 為替を忘れる:ドルで勝っても円高で負けることがあります。
- 両替のコストを見落とす:買う・売る・配当のたびにかかります。
- 確定申告を忘れる:一般口座や外国税額控除を使うときは申告が必要です。