2026年7月 米国決算まとめ|アルファベット・テスラ・Netflix・TSMC…主要企業を中立に整理
AI半導体の“実態”: TSMC と ASML がそろって最高水準
AIブームの持続性を占う二大バロメーターが、そろって強い数字でした。
- TSMC(2026年Q2):売上 US$40.2B(前年比+36%)、純利益は前年比+77.4%で過去最高。粗利率67.7%。AI/HPCが売上の66%、先端プロセス(7nm以下)が77%を占め、2nmが約3%で貢献を開始。
- ASML(2026年Q2・7/15発表):売上 €9.3B、純利益€2.9B、粗利率54.0%。2026通期ガイダンスを€43〜45Bへ引き上げ、「非常に強い受注」で2027年分はほぼ受注済みと説明。
大手銀行: トレーディング収益急増で記録的な四半期
7/14に決算シーズンの口火を切った大手銀行は、トレーディング(市場)収益の急増で総じて好決算でした。
- JPモルガン:EPS $6.14(予想$5.85)、売上$58.0B、利益は前年比+41%。
- ゴールドマン・サックス:希薄化後EPS $20.98(前年比ほぼ+100%)で四半期利益は過去最高、純収益$20.3B(+39%)。
ヘルスケア大手: J&J と UnitedHealth がガイダンス引き上げ
7/15〜16にはヘルスケアの巨大企業も決算を発表しました。
| 企業 | 四半期のポイント | kabuで見る |
|---|---|---|
| Johnson & Johnson(JNJ) | 売上 $25.3B(+6.6%)、調整後EPS $2.90で予想超。通期を約$1,011億へ増額(初の年間$1,000億超が視野) | JNJの判定 |
| UnitedHealth(UNH) | 売上 $112.0B、EPS $6.04(調整後$6.38)。通期の調整後EPSを$19.50〜20.00へ引き上げ | UNHの判定 |
JNJ・UNHはkabuのuniverse内なので、決算後の株価と業績のズレを判定ページや乖離ランキングで確認できます。ヘルスケアは景気に左右されにくい一方、政策・規制の影響を受ける点も見ておくとよいでしょう。
第2波:メガキャップ・テックの決算(7/22週)— AI capex懸念と「好決算でも売られる」
7月後半はメガキャップの決算ラッシュ。今回の主役テーマは ①AI設備投資(capex)の上振れ懸念 と ②好決算でも売られる「材料出尽くし」 でした。
| 企業 | 四半期の要点 | kabuで見る |
|---|---|---|
| Alphabet(GOOGL) | 売上 $119.8B(予想超)、Google Cloud +82%($24.8B)と絶好調。ただし2026年capexを$195〜205Bへ上方修正(従来$180-190B)→「AI投資は回収できるのか」懸念で時間外に株安 | 判定 |
| Tesla(TSLA) | 売上 $28.2B(+26%・予想超)、四半期最高の納車48万台(+25%)。しかし利益は急減(調整後EPS $0.33<予想$0.51、営業利益 −57%、営業利益率1.4%) | 判定 |
| Netflix(NFLX) | 売上 $12.56B(+13%)、営業利益率33%、契約3.25億。堅調もQ3見通しを嫌気して株価−9%=典型的な材料出尽くし | 判定 |
| ServiceNow(NOW) / GE Vernova(GEV) | NOW:EPS $1.42で予想超・二桁成長継続。GEV:受注急増も株価下落 | 判定・判定 |
読みどころ:①アルファベットのcapex上方修正での株安は、TSMCの設備投資増と同じ「AI capex」の別の顔——供給側には追い風でも、投資家は回収を問い始めています(AIバブル点検)。②ネットフリックスやテスラの反応は、好決算でも期待が織り込まれていれば売られるという材料出尽くしの教科書例。これらは全てkabuのuniverse内なので、決算後の株価と業績のズレを判定ページと乖離ランキングで確認できます。※IBM・Intel なども同週に発表。
第3波:Intel「復活」・IBM と、市場の“割れ方”
週後半は半導体・ITの決算が続き、同じ「AI capex」でも銘柄によって明暗が割れたのが特徴でした。
| 企業 | 四半期の要点 | kabuで見る |
|---|---|---|
| Intel(INTC) | 売上 $16.1B(+25%・約15年ぶりの最速成長)、EPS $0.42で予想($0.21)を大きく超過。データセンター +59%。ファウンドリの18Aプロセスの歩留まりが約85%(前Q65%→改善)=リストラからの復活期待で株+12% | 判定 |
| IBM | 売上 $17.16B(予想下回る)、EPS $2.93。ソフトウェア +5%(Red Hat +11%)は堅調だが、通期見通しを4〜5%へ下方修正=全体はもたつき | 判定 |
市場の“割れ方”(読みどころ):7/23はグーグル・テスラのフリーキャッシュフロー悪化+capex懸念でメガキャップに売りが出た(ナスダック-2%)一方、メモリ/AIハードは上昇(SK Hynix・Micron(MU)等)。「ハイパースケーラーのcapex拡大は供給側(半導体・メモリ)の長期需要の裏付け」という見方です。=同じcapexでも、"払う側"は嫌気され"受ける側"は好感される非対称。TSMCの設備投資・メモリ相場とあわせて見ると立体的です。Intelの復活もシクリカルの底打ちか、乖離・PER/PSRで点検を。
主要決算スナップショット(一覧)
2026年7月中旬に発表された主な決算を一覧にまとめます(数字は各社IR・報道段階、為替変動あり)。
| 企業 | セクター | 四半期の要点 | kabu |
|---|---|---|---|
| TSMC | AI半導体(製造) | 純利益 前年比+77%・過去最高、AI/HPC 66% | 対象外→NVDA等 |
| ASML | 半導体製造装置 | 売上€9.3B、通期ガイダンス上げ、2027ほぼ受注済 | 対象外→AMAT等 |
| JPモルガン | 金融(銀行) | EPS$6.14、利益+41%、市場収益が牽引 | 対象外→BAC等 |
| ゴールドマン | 金融(投資銀行) | EPS$20.98、四半期利益 過去最高 | 対象外→C等 |
| J&J | ヘルスケア | 売上$25.3B(+6.6%)、EPS$2.90で予想超・増額 | 判定 |
| UnitedHealth | ヘルスケア(保険) | 売上$112B、通期ガイダンス上げ | 判定 |
これから:Netflix(NFLX)が本日(2026/7/16)に決算を発表予定など、ラッシュは続きます。今後の予定は 決算カレンダー で確認できます。
「好決算 = 買い」ではない — kabuでの見方
決算が良くても、その良さがすでに株価に織り込まれていることは珍しくありません(発表後に「材料出尽くし」で下がることも)。中立に見るには:
「良い決算」と「良い株価(割高でないか)」は別問題です。ニュースの熱と足元の数字を切り分けて見てください。